耳掻きをしていてふと母が思い浮かんだ。
母は耳掻きが好きな人でした。
母が父に耳掻きをしてあげている姿が懐かしくもあり微笑ましい。
まだ実家にいた時は時々やられていた。
自分でやったと言ってもやりたがる母は今思うと可愛らしかった。
そんな母にやられる時は大抵の場合、毎週楽しみにしているテレビ番組を見ている時だったりする。
片方の耳が終わり、次は反対の耳…。
反対の耳をする為には、向きを変えるか身体の位置を変えなければならない。あと一つ、耳掻きをしてる側が動くという選択肢もあるが、そんな選択肢を選べなくなる。
耳掻きをしてもらっているとわざわざしてくれているのだという風に思い始めてしまう…。
耳掻きって恐ろしい……。
結局、私はテレビを見たいが為に身体の位置を変えていた。
◆今日の一言
母は今も息災です。